院長ブログ

大切な方

2024年1月9日

 僕は27歳で理事長になった。そのとき院長となった三角二郎先生が先日亡くなった。父から理事長と院長をそれぞれ引き継いで、一緒にわかくさ病院を支えてくれた大切な方だ。先生は当時、10数年臨床から離れていたが、患者さんを診たり、職員に指導的に接するのは上手であった。一方の僕は医師としての経験が浅かった。また医師としてだけではなく、人としても大変未熟であったと思う。思い出すと沢山のことを教わったことに感謝が溢れる。その頃の僕は、診療や経営、職員の問題などで壁に当たるたびに、若くして理事長になった運命を何度か恨んだ。しかし多くの人に支えてもらい、その頃からの早20年が経って今があるのだ。僕が一番辛いときに近くで、一緒に悩んでくれて、汗水を流した日々が昨日のことのようにも感じる。仕事外も共に多くの時間を過ごした。先生は至らない僕を絶対に責めずに、見守り、励ましてくれた。体調不良で引退されるまでは、頼んだ仕事を必ず引き受けてくれた。あの頃の先生がいたから、今の病院があり、僕がいると疑わない、今でも大きな存在だと思う。もう会えないと思うと悲しくて寂しくて堪らないが、先生に貰った力と天国から送ってくれる力を感じて、頑張っていきたい。先生、飲み過ぎないでゆっくり休んで下さい、ありがとうございました。


新年を迎えて

2024年1月5日

 新年早々の大地震で心が痛い。地震がいつでも起こりうる日本に生まれて、育って、生きている以上、これからも地震による悲しい思いはするであろうし、大切な人も自分も被災するかも知れない。だとすれば自分には今、何ができるのだろうか?それはまず今を大切に生きるしかない。会いたいと思う人に、今のうちに会っておくしかない。患者さんをしっかり診たい。医師人生を全うしたい。今年も自分で自分を愛して他人を愛したい。そして人生を大切に、楽しんで生きていきたいと思う。今年は年男だ。12年に一度の年の初めに、成長を信じて一年を始められた。今年も宜しくお願いします。


責任と立場

2023年12月28日

 人には立場と責任がある。それを全うすることは人生においては当然かもしれない。またそれらは時と共に段々と変化する。兄弟の誕生、進級、進学、就職、出世、結婚、子の誕生など、立場と責任を考えて生きてきた。しかし誰しも押し潰れそうになったこともあっただろう。こうあるべきだと自分が自身に期待して、理想を膨らまして現実が見えなかったかもしれない。そして現実よりも大きく強く美しく自分を見せなければならなかった。それは苦しかっただろう。立場や責任を自分自身に対して悪用してしまうのだ。いつだって自分がまず現実の自分を受け入れる。それだけでいい。立場や責任はそのあとから着いてくる。まず「僕は僕」、自分であるのみの立場と責任だけで生きればいい。自分であればいい。自分を変えられるのは立場や責任ではない。親でもなければ配偶者でもない。自分の心の中からだけである。


嫌いな評価は

2023年12月23日

 グルメサイトや映画など☆が並ぶ。☆の数で行きたい、食べたい、見たいを決め易い。中には☆一つのものもある。時々批判や悪口に近い口コミを見ると、気分が悪くなることがないだろうか?書き込んだ本人もあまり気分が良くないのではないか?嫌いな店、嫌いな映画、嫌いな人をわれわれは何かしら批評して悪口を言いたくなる。しかしそれ自体が更に嫌悪感を抱かせ、終いには自己嫌悪を抱く。嫌いな評価はしない方がいい。勉強になった、ここは良かったで終わらせるようにする。


価値観の相違

2023年12月16日

 価値観は絶対に一人一人違う。離婚の理由の一番多くに「価値観の違い」がある。しかし、大好き同士で結婚した二人が時を経ながらも、「価値観が違うことを尊重し合えなかった」と言うべきであろう。もちろんお互い価値観が共通する部分もある。これは親子関係、恋愛関係、仕事関係、友人関係でも同じである。自分の価値観を相手に押し付けて、支配しようとして、従わなければ別離の脅迫をもする。つまり「そんな子はうちの子ではない!」とか、「彼氏なら普通それくらいやるでしょ!」とか、「俺の妻はそんなんじゃ務まらない。」とか、「部下ならやって当たり前だ!」などなど。愛がないと思うならば、まずは価値観の違いを認め合うことが愛だと気づいてみよう。



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